この記事を寄稿している時点ではあちこちで桜が満開で心も晴れやかですが、花の命は短く瓦版が届いた頃には葉桜になっているかもしれませんね。
一方で遠くウクライナでは被害地域の惨状が明らかになるのを見せられ胸を痛めています。
1日も早く平和が訪れる事を祈るばかりです。
さて、今月は先月に続いて若い方が乗られる場合の自動車保険料の節約として「1日保険」を紹介します。
免許を取ったものの滅多に乗らないのに自動車保険の年齢条件を下げると大幅に保険料が上がってしまうので、乗る時だけ保険に入る方がお得では?というものです。
1日どころか何時間から加入でき、保険料も車両保険無しだと800円位から、車両をつけても1日2000円位で加入できます。
事前にスマホなどで個人情報を登録して、お車を利用する期間を決めて加入します。
時間が延長になった場合も対応できます。万が一、事故を起こしても元の保険の保険料には影響しないのも良いところです。
ただ、本人・配偶者の所有車、本人が役員を務める法人の所有車を利用する場合は加入できません。
また事前登録なので突然車に乗るときには不便かもしれません。
しかしながら自動車保険は25歳以下はとても保険料が高くなりますので、計画的な車の利用であれば検討に値すると思います。
ご加入中の自動車保険と同じ保険会社でも、違う保険会社でもお選びいただけます。
国内大手社は商品の設定がありますので、ホームページなどから調べてみてはいかがでしょうか。
※くすのき瓦版4月号寄稿記事を再編集しています
少しずつ春の訪れを感じる様になりましたが、先日は雨上がりに車を見たら黄砂がびっしりと。
仕方なくガソリンスタンドに洗車に行ったら洗車機に長蛇の列、参りました。
この季節、進学や就職で新たに免許を取得し、運転デビューをする方も多くなってきます。
そうなると自家用車に乗るために自動車保険の年齢条件変更依頼も多くなるのですが、ご承知の通り、自動車保険は若い方が乗れる様にするには多くの保険料を追加いただく必要があります。
保険金支払の確率が上がると言う理由とは言え、一般的には年齢条件を35歳以上から全年齢に変更した場合、保険料はほぼ倍額になります。
最近は軽自動車でも車両保険を付けたフルカバーだと20等級でも年間保険料が6万円位しますから10万円オーバーになるのも珍しくありません。
ちなみに21歳から25歳の方でも1、5倍くらいになってしまいます。ですから18歳で免許を取られた場合、18歳から20歳、21歳から25歳の最長8年間、高い保険料の期間となり家計を圧迫してしまう事になります。
では、どうしても保険料増は避けられないかと言うとそうではありません。
お子様が別居(住民票の移動は関係ありません)であれば年齢条件の変更は必要ありません(保険金請求時にはお子さんの別居を示すものを提出いただくことはあります)。
但し、同居の場合は必ず年齢変更は必要となりますので注意してください。
運転者限定が「本人限定」や「本人・配偶者限定」になっていたら限定を外すのも忘れずに。
この辺りは失敗が許されないので代理店の担当者に家族状況を伝えて保険の有効と節約を両立させてください。
次回は自動車保険のもう一つの保険料節約手段として俗に言う「1日保険」を解説します。
今月は自賠責保険と任意保険の違いについてお話しします。
日本では原動機付きの自転車(原付)や自動車(被牽引車も含む)を運行する場合には事故による被害者を救済できるように自賠責保険の加入が法律で義務付けられています。
別名「強制保険」とも呼ばれ、車検を受けるには証明書が必要となるので無保険になる事は少ないのですが、車検を受けていなかったり車検のない二輪車では自賠責保険が切れている事も考えられますので注意が必要です。
万一、保険が切れていると任意保険に加入していても自賠責保険の補償額分が支払われないので大変な事になります。
補償額は1名につき死亡・後遺障害の場合、最大3000万円。傷害(ケガ)の場合120万円です。
任意保険に加入していてもその金額内であれば自賠責保険からのみの支払いになる事もあり、保険を使用したとしても任意保険料の値上がりを免れる場合もあります。
では大きい事故でなければ任意保険は不要かというとそうでもありません。
自賠責保険は人身事故にのみ支払われるので物損事故には全く効力がありません。
また示談交渉や病院などへの医療費の支払いなどを代行する機能もありません。事故になった場合、当事者間で処理をする必要があり、専門知識がないと難しいと思われます。
支払いの条件も、休業損害や慰謝料の上限金額や認定をめぐり相手方との交渉が難航する恐れもあります。
一方で自賠責保険の特徴として、そもそもが被害者救済の観点から被害者の過失が大きくない場合は支払額が減額されない事があります。
また加害者が示談交渉に応じてくれない場合などは、被害者が直接自賠責保険側に請求できる制度もあります。
とは言え、被害者がそのように動かないといけない事をお勧め出来ることでは無いので、きちんと任意保険に加入して万が一の場合には保険会社に交渉を委ねるのが言わずもがなですが理想です。
交通事故は善良な市民が一瞬にして加害者、被害者に分かれる最大の民事事件と言っても過言ではありません。
お互いに不幸な事にならない様に自動車を運転する時は安全運転と保険加入の管理は怠らないでください。
※くすのき瓦版2月号寄稿時期を再編集しています
明けましておめでとうございます。
皆様、お正月はどのように過ごされましたか。
年末にかけて寒波が到来、全国各地で記録的な積雪を記録し交通マヒが起こり大変でした。
一方で元旦は快晴で初日の出も美しく、新型コロナ感染拡大を忘れるようなお天気で良い年になる兆しかなと思ったや否や、オミクロン株の急激な感染拡大でまたもや危機感が募る毎日が続いています。
また大阪ではクリニック放火殺人事件により多くの方の命が失われ、電車でも放火事件があったり暴走車による死亡事故など私たちの日常生活を脅かす事件が多く発生しています。
そうした多くの危険から皆様をお守りする保険の重要性は高まるばかりですが、保険には事故を防ぐ・減らすこと自体は残念ながらできません。
できるのは起こってしまった事故の後、少しでもその被害が小さくなるように、非日常から日常に戻すお手伝いしかできません。
被害にあった方々の悲しみにどれだけ寄り添えるかは保険金という名の金銭でしか表せず、それだけでは果たして望むべき解決になったのかというジレンマは保険業に携わる小職としては常に感じているところです。
しかしながら保険制度に代わる対処方法があるかというとこれも難しい課題です。
少なくともできる限りのこと、例えば取り巻く様々なリスクがあること、そして保険手配の重要性をお伝えし正しく保険にご加入いただくこと、事故発生の際は速やかな保険金支払いを通して少しでも安心していただけるように職務を努めて参りたいと改めて肝に銘じたお正月でした。
この瓦版においてもタイムリーな記事を心がけ、皆様にお役に立てる情報をこれからも発信して参ります。
今後もご愛読を宜しくお願い申し上げます。
※くすのき瓦版1月号寄稿記事を再編集しました。
早いもので今年も残すところ僅かとなりました。
新型コロナウイルスの感染状況も落ち着きを見せたと思いきや、新たにオミクロン株が発生し再び不安が広がっています。
大きな感染拡大が無く、穏やかに1年を締めくくりたいものです。
さて、2020年と2021年は大きな自然災害が少なく各大手損害保険会社は保険金支払いが少なかった事もあり大きな営業利益を出しています。
しかしながら過去の支払いの影響から火災保険は軒並み値上がりをしており、我々代理店の立場からするとお客様にご理解いただくのが忍びないところです。
保険金支払いと言えば弊社の取扱っている損保ジャパン社は顧客サービスの向上と経費節減の観点からAI(人工知能)を利用した保険金支払いをスタートさせます。
LINEのチャット機能を利用し、事故や怪我の状況を入力するとAIが自動的に質問を出し手続きを進めます。
これにより9,700人で対応し平均2週間かかっていた保険金支払手続きが最短30分で完結するそうです。
まずは年間50万件ほどの傷害保険からスタートし、2023年度には火災保険、自動車保険へと拡大する予定です。
余った人材はヒトでないと対応できない職務に当たらせるとの事です。
これから開発する商品はAIが応答する仕組みを取り入れる方針とのことです。
すでにアメリカではレモネード社がそのシステムを実現しており、国内損害保険会社も追随していくものと思われます。
個人的には迅速な保険金支払いは大歓迎ですが、全てがAIに従ってと言うのにはまだまだ違和感があります。
すでに代理店から保険会社への質問はAIを通して行うことが推奨されており、我々が多くの質問をすればするほど賢くなり対応の水準が上がるとの触れ込みですが、
イマイチ聞きたいことから外れる事もありイライラします。
なんてことを言ってること自体が時代遅れなんでしょうか?
最後は愚痴になってしまいましたが、今年も1年間ありがとうございました。
良い新年をお迎えください。そして来年もお付き合いの程、宜しくお願い申し上げます。
※くすのき瓦版12月号寄稿記事を再編集しています。
秋も深まって朝晩寒くなって参りました。
新型コロナも感染者が激減し、この記事を寄稿している今も死亡者がゼロになったと報道されました。
観光地も賑わいを取り戻しつつあり、京都市内では観光バスを見ることが多くなりました。
車での移動も多くなる事から先月に続いて自動車保険を取り上げます。
最近、トヨタ自動車のコネクテッドシステム(車の様々な情報をセンターと相互に共有する)を利用した新しい保険が販売されています。
当初はトヨタのグループ企業のあいおいニッセイ同和損保だけの販売でしたが、東京海上日動、三井住友海上、損保ジャパンの大手損保全てに拡大されました(販売開始時期は各社異なります)。
トヨタ車のオプションとして専用のナビを装備し、その機器を通じて事故状況の分析を行い事故処理に利用でき、今までのドライバーの思い違い等を排除して合理的な事故解決を目指します。
他にも緊急車両の要請や盗難された際の追跡など、車を取り巻くリスクに幅広く対応するものとされています。
装備自体の維持費がコストとしてかかるのと、追加保険料は各社違いはありますが月額250円程度です。
また運転の履歴を数値化し一定以上の高スコアには保険料の割引もあり、日常からの安全運転を促します。
まだ装備できる車種が限られているのと高価なナビ機器のため搭載車両件数が限られているため全国でもコネクテッドカー専用保険の契約件数は8万件に過ぎませんが、今後は大手損保全ての参入から契約件数は増えていくものと予想されます。
アクセルとブレーキの踏み間違いや追突事故を防ぐ安全装備の充実、自動運転化による事故件数減と相まって自動車保険はこれからも様変わりしていくことでしょう。
事故被害者の減少を目指して自動車メーカーや保険会社にできることはまだまだ多くあると思います。
※くすのき瓦版11月号寄稿記事を再編集しています。