武藤です。前回は池袋での高齢者による死亡事故を取り上げ、現行の免許制度に警鐘を鳴らしました。読者の方からも多くの反響があり、ご感想を頂いたと聞いております。
しかしながら、その後も悲惨な事故は後を絶たず、滋賀県での保育園児が巻き込まれた事故に続き、この記事を入稿する数日前にも九州では時速100キロを越えるスピードで逆走して多くの方を巻き込みながら運転者と同乗の高齢者夫婦が亡くなるといったニュースがドライブレコーダーのショッキングな映像と共に流れ、こんな事が目の前で起こった場合、どうやって身を守れるのか、果たして安全な場所は存在しないのかとも考えてしまいました。また、事故を起こした方は数日前にも免許返納を考えていたとの情報を聞くにつけ今更ながら残念でなりません。
全国的にはこういった事故が報道されるたびに高齢者の免許返納自体は増えているみたいですし、弊社のお客様でも家族会議の結果、車を手離され、免許証を返納された方が数名おられました。賢明な選択を取られた方には敬意を表します。
無茶な運転や飲酒運転による事故と違い、決して悪意がなく、ご自身は安全運転を心がけておられるのに起こってしまうだけに違った意味で深刻でもあるのです。
いったいどれだけの被害者が出たら、この国は重い腰をあげるのでしょう。
衝突被害軽減ブレーキも自家用車よりも高速道路を走る大型貨物車に全車装備義務付けすべきではないでしょうか。高速道路で渋滞に巻き込まれ停車したところに前方不注意のトラックに追突され、死傷事故に繋がる事例が後を絶ちません。
路線バスによる暴走事故、観光バスの脇見運転事故もありました。これらは全て現実に起こった事なのです。もう一度言います。犠牲者の方に報いるためにも、今こそ抜本的な対策を取るべきではないのでしょうか?
(くすのき瓦版6月号寄稿記事を再編集しています)
武藤です。元号が令和になり、大型連休の最終日にこの記事を書いています。皆様はどんな連休をお過ごしになりましたか。
お出掛けされた方も多かったと思いますが、各地では交通事故も多かった様で幼いお子さんが亡くなられたニュースもありました。
交通事故は一瞬にして幸せな家庭を壊し、加害者、被害者として共に辛い思いを生じさせます。その中で考えさせられるのが池袋での高齢者による暴走事故です。最愛の奥様とお嬢さんを失ったご主人の会見は見ていてたまらない思いになられた方も多いのではないでしょうか?
加害者の運転者は立派な経歴を持つ87歳の男性ですが、その名声も一瞬にして失うことになりました。原因はまだ正式には明らかになっていませんが、おそらくペダルの踏み間違いではないかと言うのが有力です。一説には運転をやめようとした事があった中で、利便性を重視して運転を続けたのが残念でなりません。
確かに毎日の生活において車があるのは便利かも知れませんし、特に田舎では尚更の事でしょう。しかし高齢者の運転ミスによる事故がこれだけ多発する以上、反論を恐れず申し上げるなら、やはり免許の年齢制限を設けたり、周りの家族の説得や責任を厳しくしてもいいのではないかと思うのです。
インターネット上ではとんでもない運転の動画が多くアップされています。車は高齢者にとってはとても便利である一方、判断力や、動体視力の衰えを考えると最もふさわしくない乗り物かもしれません。
確かにそれぞれには様々な事情があるのは承知しています。もしかすると読者の多くの方を敵に回す様な記事に捉えられるかも知れません。ただ長年保険関係に携わり、得た経験では、重大な事故を起こした加害者は相当辛い思いをされます。小職としてはそういった思いを少しでもして頂きたくないと切に願います。
ちなみに小職は56歳になりましたが仮にこれと言った体の不具合が生じなくても75歳をもって免許を返納しようと思っています。
(くすのき瓦版5月号寄稿記事を再編集しています)