6月に入り梅雨入りし、鬱陶しい天気が続いております。
さて、今月は先月号に引き続き知床遊覧船の沈没事故を取り上げたいと思います。
事故から約2ヶ月が経とうとしていますが、船体は引き上げられたものの未だ14名の方が行方不明となっています。
現時点では新しい手がかりはないものの、事業会社のずさんな安全対策からしても業務上過失致死は免れないものと思われます。
そうなると遺族の方々への損害賠償が明確になりますが、前号でもお伝えした様に事業会社社長は加入している損害保険で全て賄えると過大解釈をしており、遺族側の意識と乖離するのではと懸念します。
とはいえ、事業会社にはさしたる資産も無く加入損害保険だけが頼りとなりそうです。
ただ慰謝料などの算出もいろんな基準があり、示談レベルで解決するのか法廷での争いの中で和解となるのか最終判決に至るのか全く見通せません。
遺族側が集団提訴する事も考えられますし、個別での話し合いはないのではとも思います。
また現在行方不明の方の損害賠償提起にはまだまだ時間を要します。
その間、特に生計維持者が亡くなられている場合は残されたご遺族の生活に影響しますので気になるところです。
今回の事故は乗船客には何の落ち度もなく、命を奪われた大変痛ましい事故です。
遺族の方の哀しみ、亡くなられた方の無念が消えるものではありませんし、これからも様々な障壁があると思われますが1日も早く損害賠償が行われる事を望みます。
※くすのき瓦版6月寄稿記事を再編集しています