今回も前月号に続き自動車事故の示談について取り上げたいと思います。
皆さんが加入されている自動車保険は大抵が示談交渉付きになっていて、事故の際の煩わしい交渉は保険会社がおこなってくれるものと考えられていると思います。
しかしながら、こちらが全面的な被害者になった時に代理店や保険会社に連絡したところ「お客様に過失がないのであれば当社は示談の窓口になれません」と言われた事はありませんか?
ただでさえ不安な事故の示談交渉なのに力になってくれない、相手保険会社に丸め込まれたらどうしようなどと、その対応に不満をもたれる方も多いのではないでしょうか。
そもそも示談交渉は当事者本人か正当な委任を受けた弁護士など資格を有するものに限られています。
しかしながら、毎日数多く起こる交通事故の早期な示談解決を鑑み、事故当事者に成り代わり保険金を支払う立場の保険会社が示談交渉を行うことは容認されています。
しかし相手に対してこちらの過失がないため保険金を支払う当事者にならない場合は示談交渉に介入する事ができないのです。
とは言え、相手保険会社が認めれば専門的な知識がないお客様に代わり示談交渉のお手伝いをする事もない訳ではありません。
もちろん報酬をいただく事もありませんし、うまく説明できないお客様の実情を代弁したり、相手保険会社の言い分を解説する等できる限りのお手伝いをするのですが、それでも示談交渉が進まない場合は弁護士特約を付けていただいて
いる場合は弁護士への委任も視野に入れることになります。
(くすのき瓦版9月号寄稿記事を再編集しています)