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2020年2月

巷ではコロナウイルスの蔓延で感染者の拡大が心配されています。京都でも何人かの患者が見つかり今後が心配ですが、まずは手洗い、うがいを心がけ体調管理していきましょう。

さて、今回は今や国民病とも言えるガンについて取り上げたいと思います。
以前は不治の病とされたガンも医療技術の進歩により随分と治癒率は高くなってきました。
しかし最も大切なのは早期発見、早期治療です。
今回は早期発見の新しい方法として線虫ガン検査についてご紹介します。

これは九州大学初のベンチャー企業、「HIROTHUバイオサイエンス」が開発した検査方法で体長1ミリの線虫を使い尿一滴でガンの有無を80%以上の確率で発見できるとして
今年から9800円という安価な費用で実用化されたものです。

線虫は土壌などに生息する微小生物。犬より優れた嗅覚でガン患者の尿に含まれる特有の臭いに近づき、健康な人の尿からは逃げる性質を利用します。

ガン患者1400人に実施した検査では的中率は約85%に上り、特にステージ0〜1では87%まで判定でき一般的な検査方法の腫瘍マーカーよりもかなり高確率です。
反応するのは胃、大腸、肺、膵臓、肝臓、子宮、前立腺など15種類のガン。
現時点ではガンの部位までは判明しないが今後は特定も目指しているとのこと。
尿を同社の検査機関に持ち込み解析、結果報告までは1週間から1ヶ月(取り扱い施設を通じて)。
1年目は25万人の解析が可能で既に問い合わせが相次ぎ既に約10万人の検査が予定されています。
同社は当時、九州大学助教授だった広津崇亮社長が設立。福岡県と久留米市の支援を受け開発を進めました。
広津社長は「技術的な検証はほぼ終わった。ガンの検診率を上げるには画期的な技術が必要。特に子育てや仕事で検診率の低い女性の検診率アップにつなげたい」と話しています。

現在、取り扱い施設(病院等)は限られていますが、このような簡易かつ高精度な検査がどこでも受けられるようになってほしいものです。

(くすのき瓦版2月号寄稿記事を再編集しています)