TSコンサルティング武藤です。8月に入り猛暑が続いています。皆さま体調管理や熱中症には十分お気をつけください。
さて、今回は郵便局のかんぽ生命による不適切販売問題について取り上げたいと思います。
実はくすのき瓦版4月号で販売時の加入者の意向確認が不十分で苦情が後を絶たないため、かんぽ生命が80歳以上への保険の販売を取りやめたというニュースを書きました。
その際、一度お手元の契約を確認される事をお勧めしていたのですが、その後、次から次へとかんぽ生命の不適切販売が明るみとなりました。
この記事を書いている時点では少なくとも18万件以上の不適切販売の疑いがあり、9月末まで保険販売の自粛と契約総数3000万件の調査を行うと発表されました。
不正の中身としては
①新規契約として扱うためにそれまでの契約を解約せず一定期間、保険料の二重払いを生じさせた
②見直しと称して必要でない保険を販売した
③新規契約のカウントのために一時無保険状態を生じさせた為保険金の支払いが出来なかった
④健康状態の告知違反を奨励した
⑤相続対策の必要の無いお年寄りに虚偽の説明をして保険を販売した
等々書ききれないほどの不祥事が明るみになりました。
これらが判明したのは罪の意識に苛まれた職員の方からの内部告発と言われています。
多くの不正が生じた原因は間違いなく厳しい販売ノルマがあったからで、これは以前から業界では囁かれていました。
中にはノルマのために職員自ら月に40万円もの保険料を支払う契約をしていたケースもあったそうです。
郵便局は本来、地元に根付き、特にお年寄りを中心に絶大な信用を誇り、それが強みではあったのですが、その分、今回の不祥事により失った信頼は大きく事業の存続すら危うい状態になっています。
しかしながら誠意を持って正しく販売されていた職員さんも多くおられるはずですし、この猛暑の中でも日本の北から南まで郵便を配達されている職員さんまで良く思われないのはとても気の毒でもあります。
経営陣は販売目標とされるノルマを設けないと発表しましたが、事態が収束するのにはまだまだ時間がかかりそうです。
(くすのき瓦版8月号寄稿記事を再編集しています)
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