犠牲者の7割が高齢者 「逃げ遅れ」が主な原因
毎日といっていいほど、テレビや新聞などで火事のニュースが報道されています。お住まいの地域でも、消防車が出動している場面に出くわしたり、サイレンの音を耳にしたりすることも多いと思います。実際に、日本のどこかで、毎日約120件、約12分に1件の割合で火災が発生しています。
総務省消防庁の統計によると、平成26年の総出火件数は4万3,741件、前年より4,354件減りました。出火元で最も多いのが建物で2万3,641件、そのうち半分以上が住宅(共同住宅など含む)となっています。火災による損害額は約853億円にものぼり、1日で約2.3億円が灰になっています。
火災の恐ろしさは、家や財産だけでなく、生命まで奪い去ることです。平成26年の火災による総死者数は前年より53人増加し1,678人、負傷者数は298人減少し6,560人でした。住宅火災だけでみると、死者数(放火自殺者等を除く)は1,006人、こちらも前年より9人増えています。火災の発生件数、なかでも住宅火災の件数は、ここ数年、減少傾向が続いていますが、死者数は増加もしくは横ばい状態です。
とくに高齢者が犠牲になるケースが増えています。住宅火災で亡くなった65歳以上の高齢者の割合は7割近くを占め、699人です。ちなみに10年前の平成16年は590人、割合は56.8%でした。耳の聞こえづらさや運動能力の低下、さらにひとり暮らしなど高齢者だけの世帯が多くなっていることもあり、逃げ遅れが原因とされています。実際に住宅火災の場合、半数以上の人が逃げ遅れで命を落としています。普段から避難路の確認など備えが必要だといえます。
また、冬の季節は、空気が乾燥し、暖房器具などを使う機会も増えます。火の取り扱いには十分気をつけるようにしましょう。