冬は暖を取るために暖房器具を使う機会が増えるほか、空気が乾燥することから、火災が非常に発生しやすくなります。
自ら防火に努めることはもちろんのこと、万一に備えて火災保険などに補償漏れがないかを確認しておくことが大切です。
総務省が取りまとめた2018年(平成30年)1月から12月までの1年間での火災状況によると、総出火件数は 3万7981件、
火災による総死者数は1427人、負傷者は6114人でした。
建物・住宅火災での出火原因(総務省調べ) | ||||
建物火災 |
うち住宅火災 | |||
こんろ |
2794件 |
13.5% |
1814件 |
16.5% |
たばこ |
1948件 |
9.4% |
1346件 |
12.2% |
放火 |
1334件 |
6.4% |
750件 |
6.8% |
ストープ |
1170件 |
5.6% |
901件 |
8.2% |
配線器具 |
1133件 |
5.5% |
632件 |
5.7% |
電気機器 |
1078件 |
5.2% |
454件 |
4.1% |
火災種別では、建物火災が2万0764件(うち住宅火災1万1019件)、車両火災が3660件、林野火災が1363件などとなっています。
建物火災の出火原因の第1位は「こんろ」2794件、第2位は「たばこ」1948件、第3位は「放火」1334件でした。
また、「放火の疑い」も794件ありました。
建物火災のうち住宅火災の出火原因をみると、「こんろ」1814件、「たばこ」1346件、「ストーブ」901件、「放火」750件の順となっています。
また、「放火」と「放火の疑い」を合わせた件数は1000件超に上っています。
年末年始は休日が多く、家を留守にしたり事業所も無人になったりしがちですので、放火の注意も必要です。
住宅火災による死者数(放火自殺者を除く)は946人でした。
このうち65歳以上の高齢者は668人で、前年より22人増加し、住宅火災による死者数の70.6%を占めています。
防火対策として、外出時や寝る前には必ず火元を確認する、暖房器具は定期的に点検を行う、子どもの火遊びに注意する、
燃えやすいものを家の外に置かないなど、日頃から心がけることが大切です。
年末年始には、餅による窒息事故、大掃除中の転落事故、帰省先での子どものやけどなど、この時期特有の事故が多発しています。
こうした事故を防止するために、消費者庁がまとめたポイントを紹介します。
【餅による窒息事故を防ぎましょう】餅は、食べやすい大きさにした上で、急いで飲み込まず、口の中でよくかんで食べましょう。
高齢者が餅を食べる際は周りの方も食事の様子に注意を払い、見守りましょう。
餅は、口や喉の温度によって餅の温度が下がると喉にくっつきやすくなります。
特に高齢者はそしゃく力や飲み込む力が低下し、食べた物をしっかりかんでスムーズに飲み込むことが難しくなっているため、
窒息事故が起こりやすく、注意が必要です。
【大掃除中の転落・誤飲等の事故を防ぎましょう】
脚立等は安定した場所に設置し、正しく使用するとともに、バランスの悪い場所等での掃除では決して無理をしないことです。
洗剤などは取扱説明、注意表示をよく確認し、正しく使用しましょう。
掃除中も子どもの手の届くところに誤飲すると危険なものを置かないよう注意しましょう。
【事故防止のために大掃除や帰省を機に家庭内を点検してみましょう】
リコール対象製品がないか、経年劣化による不具合などがないか確認してみましょう。
また、転倒しやすい家具等がないか確認し、転倒防止用品を設置するなど、しっかり対策をしておくことが大切です。
年末年始の大掃除は、長く使用している製品や設備、普段はなかなか確認できない製品や設備を点検する良い機会です。
この時期特有の事故を未然に防ぎ、新しい年はすっきりした気分で良いスタートを切りたいものです。