短期化や在宅医療へシフトする傾向…病気によっては長引く場合も
年齢が上がると長期化医療事情踏まえ備えを・・・
日ごろから、食生活や健康増進にいくら気を配っていても、突然の病気やケガは、だれの身にも起こる可能性があります。もし、入院した場合に心配なのが、病院での不自由な生活だけでなく、長期入院による治療費や差額ベッド代など、経済的な負担が重くなることがあげられます。
ただ、最近は医療機関での入院日数が短期化する傾向にあります。厚生労働省「平成26年(2014)患者調査」によると、退院患者の平均在院日数(入院日数)は31.9日で、3年前の前回調査より0.9日短くなっています。この傾向は、平成2年(1990)から続いており、24年間で13日も短縮しています。医療技術の進歩によって長期間の入院が必要なくなったことや、高齢化で膨らみ続ける医療費を抑制する国の政策もあり、入院から在宅医療へとシフトしていることが背景にあります。実際、患者の住まいを医師が訪れて診療する在宅医療を受けた人の1日当たりの推計数は15万6,400人で、前回調査と比べ約4割増えています。
しかし、年齢や病気の種類によって入院日数も違ってきます。年齢別では、15〜34歳が12.0日であるのに対し、35〜64歳が24.4日、65歳以上が41.7日、さらに75歳以上になると47.6日と、年齢が上がるに従い長期化する傾向にあります。また、脳血管疾患89.5日、慢性腎不全62.9日、高血圧性疾患60.5日など、一部の病気では平均よりも長い日数となっています。
病気やケガに対する備え(医療保障)は、こうした最新の医療事情を踏まえつつ、入院が長期化した場合の収入減などへの対策もあわせて検討する必要があります。